アメリカの金融市場を巡って、
重要なニュースが次々と舞い込んできますね。
ほぼ確定事項だと思いますが、
先日、オバマ大統領は次期FRB議長に
ジャネット・イエレン副議長を指名しました。
この次期FRB議長がどんな人なのか?
知っておくだけでも、
微妙に市場の空気が感じ取れると
思うので、今日はイエレンさんに
フォーカスしていきたいと思います。
これって、凄い事で、
FRB100年の歴史で
初めての女性議長誕生になります。
FRB議長の正式任命は、
上院だけで行われるので、
現民主党が過半数を占める上院では
おそらく可決されると思います。
現FRB議長のバーナンキさんは、
来年1月に任期が切れます。
で、今回指名を受けたイエレン氏は、
現FRBの副議長を務めている方で、
バーナンキ氏の金融政策を共に作り上げて
来た立役者です。
小柄で白髪のチャーミングな女性ですが、
2009年から12年までに
FRB当局が行った経済予測を
ウォールストリートジャーナル紙が
分析した所、誰よりも
イエレン氏の予想精度が高かった
という逸話があります。
で、彼女の何が優れているのか?
というと、
「自らの経済学論に、
絶えず疑問を投げかけ、試している」
という姿勢です。
そして、FRB会合では、
「調査や準備なしに、決断はせず、
発言すらしない」
という徹底した勤勉さを見せている事です。
経済予測の精度の高さ、
ロイターによれば、FRB議長候補の中でも
最も能力のある人物と評されて、
それが今回の任命につながったのだと思います。
イエレン氏の簡単な略歴を
まとめると、
エール大学で博士号を取得し、
70年代にFRBスタッフ研究員
90年に理事として働き、
サンフランシスコ地区連銀総裁を経て、
FRBに入り、副議長を努め、
今回議長へ登りつめました。
クリントン政権時代に
大統領経済諮問委員会(CEA)委員長も
しています。
現FRB議定バーナンキ氏の
金融戦略をずっと支えてきた人物なので、
ハト派(穏健派)的な政策を引き継ぐものだと
市場は予測しています。
特に力を入れているのは
個人消費・雇用の回復です。
旦那さんは、ノーベル経済学者、
息子さんも経済学者という、
経済学者一家。
日常的にも経済の話とかするの
でしょうから、
そこから新しいアイディアが
生まれたりして、世界を動かす
経済一家になるかもしれませんね。
金融市場はすでに、
イエレン議長の誕生をすでに織り込み、
具体的な金融緩和政策の出口は、
12月と予測している所もちらほらと
出ています。
そして、為替やマーケットの動きは、
前回バーナンキ氏の時はしばらく下降レンジ
だったのですが、その後上昇していきました。
今回の次期FRB議長選任は、
対抗馬のラりー・サマーズ氏が
指名選考の辞退を申し出て、
イエレンFRB議長が決まることにより、
オバマ政権の不安要素は一つ消えました。
後は、債務上限引き上げですが、
こっちは、
「金利さえ払えば、デフォルトしないよね!」
という共和党保守派からの乱暴な意見も
出ている始末。
どっかの中小企業ならともかく、
国単位でそんな言い訳は通用しないと
思います。
とにかく17日までのリミットまで
苦い駆け引きが続きそうですね。