こんばんは、ヒナです。
先月から私用でばたばたしてしまい、
なかなかブログ更新やメルマガできずに、
すみません。
今月はかなり相場が動いていますね。
先週のNYは反発で終わりましたが、
きっかけは、ブラード総裁の
「緩和延長した方が
いいんじゃないの発言」
で株式市場が喜んで反発要因になったり
したのですが
ここまで来て、それはどうなんだろう?
というのは一般人でもわかります。
株価維持の目的だけの為に、QE続ける、
という事はできないと思います。
すでに実体経済とかけ離れたお金を刷っている訳ですし。
フィッシャー米ダラス連銀総裁も
本日先ほど「10月末でQE終了を支持」との表明をしています。
そしてセットで利上げ時期をにらんだ駆引きも、
変動利要素として依然とあります。
利上げについては、
数字的な景気回復ができているのに、
利上げできないアメリカって、
なんかヤバイいんじゃないの?
という思惑が広がってしまったら
ドル下落要因になります。
正直、失業率ひとつにしても、
良い数字に見えるようなからくりがあるように、
実体経済の回復度合いは、微妙に計れません。
(例として、一年以上仕事が見つからない人は、
計算に入れてないなど)
ただ、発表された数字や、
発言により相場は動きます。
前進・後退思惑はそのままストレートに
市場へ反映されるので注意が必要。
そして、「すべてを信じず」
いつでも逃げられるように
フットワークを軽くする、
という事が大事だと思います。
さてさて、今日は香港デモについて
書きたいと思います。
以前から香港デモのリスクについて、
読者さんから問い合わせがありました。
今日、ちょうど香港政府と学生の対話が
行われるというニュースが流れました。
今回の対話が実りある内容でしたら、
多少の地政学リスク軽減となり、
リスクオンの口実となるかもしれません。
この香港デモを考えるたび、
私は時代のうねりを考えずにはいられません。
調べれば調べるほど、高校生、大学生を始めとする
若い人たちが
「本気で香港を守り、状況を変えるため、
何かしたい!ここから時代を変える!」
という熱い思いが伝わってきます。
それと反対に、中国の北京の人たちは、
「無駄で稚拙な出来事だ」
と冷たい目で香港デモを見ています。
それは、中国では地方選挙はありますが、
政治と関わる部分では、国民は関与できません。
所詮、自分たちの力では政治を変えられない、
という諦めムードが根本にあるのだと思います。
ただ、今回の香港デモ、
欧米では、中国にとって脅威となる可能性がある、
という報道のされ方をしています。
そこで、今日のポイントは3つに絞って、
この香港デモ(雨傘革命)を整理していきたいと思います。
●まず歴史から考えてみる。
●今回の雨傘革命は、なぜ脅威なのか?
●今後の金融市場への影響
最近、ポイントを3つまとめる癖を
つけているのですが、なかなか良いですね。
では、いきましょう!
●まず歴史から考えてみる。
今回の香港デモを考えてみる上で、
さっと頭をよぎるのが、1989年4月26日
に起きた、天安門事件です。
天安門事件をざっとまとめてみます、
1 北京の天安門広場を学生が占拠。
2 民主化運動
3 中国当局(人民解放軍)の戦車が突入。
民主化運動を武力弾圧。
6月4日に突入が行われてるので、
約一ヶ月ちょっとの出来事でした。
失敗したとはいえ、当時のリーダーたちは、
学生や労働者を巻き込むことに成功し、
特筆だったのは、外国メディアへのアピールでした。
(抗議運動が海外の要人の訪中に合わせて
展開するなど。ゴルバチョフ大統領の訪中の時など)
では、その主人公たちは、
なぜ失敗したのでしょうか?
1準備がちゃんとできてなかった。
2中心人物が複数いて、嫉妬心から内部分裂し、
組織としてのまとまりが欠けていた。
3戦略的思想の欠如。
長期視点がもてなかった。
(要求が短期間でエスカレート)
4天安門の外に支持を広げられなかった。
今回の雨傘革命と、天安門事件。
決定的に違うのは最後の4の部分だと
私は思っています。
●雨傘革命は、なぜ脅威なのか?
雨傘革命って、不謹慎ですが
なんか名前がかわいいですよね。
この名前の由来は、9月28日の警官との衝突の際、
投げ込まれた催涙ガスに対して、デモ隊が
傘を逆さまに広げて抵抗した光景から
つけられました。
そもそも、原因は2017年に実施される
行政長官選挙の詳細が8月に発表されてからでした。
中国政府は普通選挙を約束していたのに、
その選挙内容は
「指名委員会の過半数の推薦を受けた人物しか
立候補できない」
という事でした。
指名委員会は、親中派が多数を占めます。
中国の意向に添わない人は、
出馬を認めない。
・・・という事は実質、
「自治権を奪われる」
という事になります。
これは怒りますよね。。。
香港は150年統治のイギリスから
返還されて今年で17年。
私は旅行中、香港の人と親しくなった事がありますが、
中国の人はまた違った、自分は「香港人」である。
というプライドを持っている気がします。
欧風に思考や振る舞いが洗練されてるんですよね。
デモによるきっかけは、
最初に上げた選挙ですが、それ以前にも
小さな種火はありました。
香港の小中学生に対し、
「愛国心」教育をするために中国政府は
教育指導要綱を改訂しようとした所、
学生たちは、「学民思潮」を立ち上げ運動を開始。
その結果、愛国教育は一時、
保留になりました。
この時生まれた学民思潮こそが、
17歳のリーダーとして注目されている
黄之鋒が共同設立者として名を連ねています。
では、雨傘革命の背景がわかった所で
今回の脅威となる特徴をまとめていきます。
1 多くの人の支持を得ることに心を砕いている。
●街頭の清掃やゴミの回収など、
とにかく礼儀正しい。
結果、平和的なデモに攻撃した警察に
非難轟々です。
2 デモ参加者に明確な行動指示。
●非暴力の必要性
●警察への対処
●誰かが逮捕されたときどうするか?
●立ち入り禁止場所に踏み入れない。
規律が守られているので、犯罪者として
取り締まられない。
3 雨傘運動の要求は、自治を守ること。
●香港の住民は貧富の差は激しいが
アジア圏の中では裕福は方なので、買収は効かない。
●天安門のように暴力で黙らせるのも難しい。
なぜなら・・・
4 香港は国際都市である。
天安門の時は、速攻報道規制を敷いて、
戒厳令を出した中国も、時代には勝てません。
何か起きたら、スマホで撮影されて
動画サイトにアップされ、全てがリアルタイムで
全世界に配信されます。
雨傘運動はそこをよくわかっていて、
自分たちはあくまで非暴力を貫き、
正しい振る舞いをしているのだと思います。
5 台湾はめちゃめちゃ注目している。
台湾と香港、立場が似ています。
自治に対する約束を中国はどこまで守るか?
同じ将来が自分たちに降りかかる可能性を
考えずにはいられないと思います。
これらの事から言えることは、
「誰が見ても正しい振る舞いをし、
人々共感させ、巻き込んでいく事」
をいかに今回のリーダーたちは
心を砕いています。
その結果、そのデモ隊の人数は、
一時、30万人という規模に膨れ上がりました。
●今後の金融市場への影響
今回のデモは、暴力的なものではなく、
驚くほど平和的なデモに終始しています。
ですから略奪や、治安の悪化など
そういったものとはまた質が違うので、
デモ隊から何かやらかす、という事はないと思います。
ただ、中国側が攻撃する口実を見出し、
強制的に武力排除を行った場合は別です。
今後の展開は、3つあります。
1 武力による強制排除
2 妥協して平和的解決
3 少しの勝ちを譲り、落とし所をつける
金融市場的に一番インパクトを与えるのが、
1です。
絶対に起こってほしくない選択です。
ですが、中国は何か残虐な事が起こっても
国際社会が
「中国だからしょうがないな~」
という目で見てくれる、
という事を知っています。
今回のデモでも、
香港特首が勝手に中国側の意見を汲んで、
「事態収束のため、500人くらい殺しても
良いように病院の準備をした。
でも、習近平に怒られたらから止めた」
と台湾でニュースになっていました。
香港のトップにいる人間がこういう事を
考えているわけです。
逆に習近平は、現時点で
そこまでする必要がないと
思っています。
ただ、今回の騒動が共産党一党独裁の
存続に影響するなら話は別になってきます。
そこまでの事態にならない限りは、
1になる可能性は、低いです。
次に2は
譲歩=弱みを見せる。
と解釈されるので、
習近平の党内の立場が危うくなります。
中国の伝統として、穏健派は失脚する可能性が
高いので、2もないと思います。
一番ありそうなのは、3です。
ちょっとだけ花を持たせ、うやむやにして
フェードアウトさせる。
もしくは、裏工作して黙らせる。
2.3に関する事態の収束は、
そんなに市場にインパクトを与えないと思います。
注意するべきは、1の結末です。
上に挙げたニュースにしても、
「誰かが勝手にやり始める(中央は関与してませんよ)」
と突然起こる可能性もあります。
天安門事件では、戒厳令の布告から2週間後に
軍隊が一時撤収し、虐殺の準備を行っていました。
今回も9月末に機動隊が撤収しています。
今後、収束するまでニュースのトピックスには
注意して下さい。
注意しつつ、いつでも逃げ出せるように
フットワークを軽くすること。
いつでも自分のお金を一番に守るよう、
思考を切り替えて行くこと。
この事さえ守れれば、
どんな相場でもかすり傷で逃げ出せると思います。
ではでは今日はここまでです。
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