今日の本は、トレーディングエッジ入門 」です。
読者さんからの質問の答えがあるかも・・・!
と思って、本棚から引っ張り出して来ました。
読者さんのお悩みは、
一ヶ月プラスになった後、次の月では
必ずといっていいほど、
収支マイナスに転落してしまうとの事。
原因究明のためには、もう少しデータが欲しい所ですが、
この資金管理の項目に、この本は面白い記述があったので
紹介します。
私は初めて読んだ時、
そんなに良い本とは思いませんでした。
トレーディングエッジ入門 利益を増やしてドローダウンを減らす方法
ところが、売るものもったいないので二度目に読んだ時、
あれ?と思い、三度目、読むうちにむむむ!と
唸らせられる事になります。
この本ほど、自分のトレードレベルに合わせて
見方が変わる本も珍しいと思います。
最初に読んだ時、この良さがわからなかった私は
よほどの鼻たれ小僧でした。
ネットを見たら他の方の書評の評判があまりにも良かったので、
ちょっとがっかりし、
この本が良いと思う時期が来るのだろうか?と思っていました。
当時、手法と勝率ばかり追い求めていた時期だったので、
基盤の部分をただ流して読んでいただけでした。
大事な事が何も見えてない状態だったのです。
今思うと、本当にアホ、というしかありません。
まずこの本で一番目に付く所は金管理の面、
「ペイバックサイクル」と「ペイアウトサイクル」です。
値動きにもサイクルがあるように、
資金にもサイクルがある、という考え方で、
「ペイバックサイクル」はお金が入ってくる(勝ちやすい)、
「ペイアウトサイクルはお金が出て行く(負けやすい)事を示します。
トレードをしていると、ある時期、
あれ?何か相場と噛み合わないな?
と思った事ありませんか?
今までの手法と変わらないのに、連敗している。
そんな時、この考えを知っているのと、
知らないのとでは資金管理の面で差が出てくると思います。
二人のトレーダーの例を出しての説明があるのですが、
これが面白く、みんな経験している事かもしれません。
その他、トレード計画に関する記述も秀逸で、
リスク&リワードレシオ、10Kルールなど、
トレードを組み立てる上で即戦力になる知識が満載です。
ポジションサイジングにも軽く触れられ、
「トレードの枚数が100枚でも1000枚でも、マーケットには関係ない。
気にしているのはトレーダーだけである」
などは、「はは~おしゃるとおりです~!」と
まさに核心を突いた言葉ですし、
66~69Pのトレード計画を作る上での問いかけも、
まだ自分の軸がしっかりしていない人にとって、
非常に強力な味方になると思います。
そして、この本の真の価値は、
七章「マーケットはなぜ動くのか?」からの
チャートの裏側にある、人間心理の概念でしょう。
「大衆は常に間違っていて、
マーケットは必ず現在のコンサンスとは逆の方向へ動く」
トレードとは、対人間です。
プライスを決めるのは結局、需要と供給です。
その人間の心理をどうチャートから読むのか。
それを自然に読める、という事は、
トレーダーとしての優位性(エッジ)を飛躍させます。
一度目を通しただけでは、その重要さは理解できないかもしれません。
でも、長く勝ち続けるには必要な考え方だと思います。
私はこの本を数年前に読んだのにも関わらず、見落としていました。
この7~10章、最低でも10回は読み込んで下さい。
きっと、チャートの見方が変わってくると思います。