デイトレード レビューと感想

本日から少しづつ、おすすめのトレード本をレビューしていきたいと思います。

第一回目は、まず、この本から!
私の聖書です。

「デイトレード」

オリバー・べレス グレック・カプラ 著

「トレーディングを成功させる能力とは、バカを探す能力である」


この本の名言の一つです。

「デイトレード」は2002年10月発売に発売されています。
この本との出会いは、私が株で負け続け、叩きのめされた時、
ある億トレーダーのブログで、紹介されていたのがきっかけでした。

たぶん、今から8年位前だったと思います。
それまで私は国内の「一日●円儲ける!」みたいな、
中身のすっからかんな本ばかり読んでいて、
「勝てる方法」ばかりに焦点を当てて、聖杯を求めていました。

当時、トレードのメンタル面を描いた翻訳書はこの本と、

「投資苑」
「ゾーン」くらいしかなく、
その中で一番初めに手にとった本でした。

初めて読んだ時は、衝撃もなく、拍子抜けする感じでした。

「勝てる方法が書いてないじゃないか」と。

本当に自分でもあきれるくらい、初心者でした。
3000円近くするこの本、そんな高いトレードの本をそれまで
買ったことがありませんでした。

だから、「勝てる」方法がバッチリ書かれていると期待していた訳です。
とんだアホです。

で、初読みは、要は損切りって大事って事だよねっ!
と漠然と思って本棚にしまいました(笑)

それから、買ったり負けたりを繰り返して、
ある日、損切りの甘さからまた大損をしてしまいます。

損切り、大事だってわかっているのに、
何でまた同じ事やっちゃうんだろう、と自己嫌悪の嵐です。

ポチッと押すだけじゃん。
なんで、指が動かないの?

そんな経験はないですか?
思考が固まっちゃうんですよね。

そこで、ふらふらしながら、損切りの事についてかかれていたなー。
と、デイトレードを読み直しました。

そうしたら。

途端にこの本が輝いて見えたんです。
一回目とは読む視点、コンセプトが違ったのでしょうか?
とにかく、見えてないところが見え始めたのです。

それからはもう、何回も読みました。
線もひきまくって、ノートに全部移す勢いでまとめたり。
ぼろぼろになるまで読みました。

現在は有名なトレーダー養成機関である
プリスティーンの創始者である二人も、
手痛い損失からトレード生活をスタートさせています。

しかも、その損失は、損切り出来ない、という病からです。

原点はそこから。
だからこそ、損切り出来ない人にこそ、読んで欲しい。

3章の「逆境と損失」を、すり切れるまで読んで下さい。
そして、本書67ページからのバンドワゴンの逸話。

楽しそうな音楽を鳴らしながら、
バンドワゴン(楽隊車)が賑やかに進んでいます。
その後ろには、少数の人々が楽しんでいます。

音楽は大きく賑やかになり、道ばたで様子を見ている人が
次々と行進に参加していきます。
新たな傍観者が次々と参加している中、
最初に参加している人たちは、すすっと列を離れます。

後から参加してくる人はそれに気がつきません。
それどころか、どんどん人は増え、膨れ上がり、
ついにバンドワゴンを取り囲んで動けなくしてしまいます。

最高の盛り上がりの中、動けなくなったバンドワゴン。
動かないので、参加は容易です。
ますます、多くの人が集まります。

しかし、バンドワゴンは前に進まなくてはなりません。

バンドワゴンは、バックをして人々を倒します。
人々が状況を把握する前に、
バンドワゴンはさらに強くバックして、
人々をなぎ倒し、引きずり、阿鼻叫喚。
饗宴は一気に悪夢へと変わります。

人々は、大けがを負い、弾き飛ばされ、それでもまた、
バンドワゴンは最後に一番強烈なバックをお見舞いします。
そしてようやく、前へ進み出すのです。

その時、どこからか、颯爽と新しい一団が現れ、
再びバンドワゴンに乗ります。

そして。

しばらくして、さっきの惨状にほどと遠い所に来ると、

「さあ、もう一回やろう!」

と音楽をかけ始めます。

この本で一番大事だと思った数ページです。
簡単にまとめてみました。
相場心理をよく表している逸話だと思います。

チャートを見るとき、常にチャートの裏にある、
誰が買って、誰が売っているのか?
このような心理を考える、秀逸な物語だと思います。

トレード能力が上がれば、また新たな発見もある、
まるでスルメのような味わいの本です。

「正しい思考が、正しいトレーディングである」

その正しい思考とは何か?
どうすれば、道を踏み外さずに済むか。

迷っている人、この本の言葉は、
おおまかな道筋を示してくれると思います。

トレード手法以外の全てのものが詰まっている。
私にとっては、今でも師匠の位置にある、そんな本です。

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