皿を割るヤンキー

先日、米国トレーダーの本でなるほどなーという例を見つけたので、
私の子供の頃の話を例にシェアします。

昔、私の父は大きな宴会ができる場所を借りて飲食の
商売をしていました。

で、父は昔、札付きのワルだったので、
その罪滅ぼしをしたかったのか、悪い事をして
学校を中退になったヤンキーのお兄ちゃんたちを
引き取って弟子にして、コキ使ってたんですよね。

私はそのヤンキー兄ちゃんたちに囲まれて育ったのですが、
みんな、子供には優しい良い人たちでした。

確か小学校１，２年の頃だったと思いますが、
お店がめちゃめちゃ忙しくて、その後片付けに、
うちのお母さんまで呼ばれて、まだ当時留守番できなかった私も
店に連れて行かれました。

勿論、小さいので、お手伝いできません。
ジュースとお菓子を与えられて、裏口近くに
座らされて、うとうとしていたのですが、
遠くでパリーンという音が聞こえたんです。
そして・・・

「こんにゃろ！」

パリーン！

「こんにゃろ！」

ガシャーン！

こんにゃろ！とガシャーンが交互に聞こえてくるんです。
なんだろ・・・と思って裏口を開けてみると・・・。

従業員のヤンキー兄ちゃんが、
お客さんから下げてきた皿を割ってるんですよ。

「ＯＯちゃん何してるの？？」

グラスを地面に叩きつけたその背中に、
私は恐る恐る尋ねました。
ヤンキー兄ちゃんは一瞬ビクッとしましたが
私だと判ると、リーゼントを街頭に光らせて、

「おっ！ヒナちゃんか！皿があまりにも多くてさー
洗うの面倒だから割っちゃってるんだよ＾＾お父さんには内緒だよ」

と言って、にっこり笑いました。
今だったらバリバリにツッむ所なんですが、
子供でしたので、そういうものなんだと納得しました。
しかも、

「ヒナちゃんは危ないから下がってな！（キリッ」

と言われ、ちょっと遠くに体育座りして
その皿割りを見守っていたら・・・

「何してるんだ！！！！こおるらぁぁぁぁぁ！！！！！！」

怒声と共に、ヤンキー兄ちゃんが視界から消えたのです。
私を探しに来た父の、右ストレートが炸裂し・・・
文字通りぶっとばされたんです。
（うちの父は、やばいくらい喧嘩が強いです）

人間ってこんなに飛ぶんだ・・・と初めて知りました。

で、こんな話をして、私が何を言いたいのかというと、

結果を求めて、プロセス（経過）をないがしろにしてはいけない、
という事です。

お皿を片付けるには、洗って、拭いて、片付けなければいけませんよね。
割ってゴミ箱に捨ててはいけません。

どうしていけないかというと、次回使えないからです。

では、これをトレードに当てはめていきましょう。

儲かりたいからトレードする、
これは当たり前ですよね。

でも、多くの方達はただ「トレードしたいから、する」だけで、
そのままにしてしまいます。

要するに、皿を割って片付けようとする

「消費するトレード」です。

これって、もったいなくないですか？

自分がどうしてポジションを取ったのか？
自分がどう思って決済したのか？

必ず理由があるはすなのに、記録を残さず、
そのまま流してしまうのは
すごくもったいない事だと思います。

自分のトレードを確立するには、まず、
自分を知らなければなりません。

いくら利益がでたか？
いくら損失がでたか？
それは結果に過ぎません。

大事なのは、

どうして、その時、その選択したのか？

トレードは、知らない自分が出てきます。
時には考えられないほどバカな選択を
してしまう時もあります。

だからこそ、
一つ一つのトレードを「死にトレード」
にするかどうかは自分次第です。

強いトレーダーになる為には
一歩一歩自分を知る事だと思います。

ですから、一つ一つのトレードプロセスに
焦点を当ててみて下さい。

ある米国のカリスマＦＸトレーダーは
私たち日本人の事を「トレードに向いてる民族」
と言いました。

なぜなら、トヨタのカンバン式に代表される
プロセスを改善して成長できる遺伝子を持った
民族だからです。

ですから、自分のトレードプロセスを
じっと観察し、癖や思考を掴みましょう。

強いトレーダーになるヒントは
あなた自身の心の中にあると思うのです。

お皿は割らない！
ちゃんと洗って片付ける！と誓ったらぽちっとよろしくです＾＾